「侍タイポグラフィ」に秘められたデザイナー・井上祥邦の想いとは? 過去に配布したパンフレットで掲載されているインタビュー記事をWebサイトにも掲載します。

〈インタビュアー:株式会社解体新書・杉山直隆氏〉

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―――◆〈第3回〉◆―――

侍タイポグラフィの海外展開も視野に

── 侍タイポグラフィ、反響はいかがでしたか?

 SNSに試作品を公開すると「良いですね」と反応が返ってくるので、嬉しいですね。さらには、真田幸村公、上杉謙信公、長宗我部元親公などの武将のご子孫の方が応援してくださるようにもなりました。昨年末にグラフィックを額装して贈呈したのですが、大変喜んでいただきました。事務所の玄関に飾ってくれ方もいます。お会いするだけでも光栄なのに感激しました。

── 今後の抱負をお聞かせください。

 侍タイポグラフィが武将との出会いのきっかけになってくれれば嬉しいですね。「このタイポグラフィって面白い絵だね」と興味を持ってもらい、「もっと調べてみよう」「この武将に縁がある場所に行ってみたい」となればいい。一方、歴史に詳しい方には「こう来たか!」と思っていただきたいです。

 そのためには、国内外で認知度を高めていく必要があります。まず国内に関しては、各都道府県ごとに所縁のある戦国武将をモチーフにする予定です。すると地域おこしにもつながると思うのですね。

いま作りたいのは、九州の戦国武将である「立花宗茂」。この人も大名を剥奪されて不遇な時期を過ごしながらも、少しずつ信頼を重ねていき、最終的に九州の大名に返り咲いたドラマも持っているのです。九州に宗茂の甲冑を見に行くのが楽しみです。

もう一人、リクエストが多い「伊達政宗」も制作します。説明が必要ないくらい人気がある人物です。実際の甲冑を見たことがないので、仙台を訪れて研究したいと思います。

 さらには海外展開もしたいと考えています。2022年にシンガポール企業から声がかかりライブコマースでTシャツを販売したら、予想以上に好評でした。海外では日本語のタイポグラフィを展開していくので、「甲冑」と「日本語」の美しさを伝えていきたいです。

 侍タイポグラフィは私のライフワーク。死ぬまで取り組んでいきたいですね。

〈完〉

 

 

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