かつて日本には、自らの感情に素直に、ひたむきに暮らす人々がいました。



 「その姿は、敗戦や震災を経験しても立ち上がり、復興と成長を遂げてきた現代人の源流ではないか」



 幼い頃から武将らの人物史を好んだデザイナー井上祥邦は、この着想の下、堅い印象のある「歴史」を「もっとポップに表現し、人々に親しんでもらいたい」との思いを抱いてきました。



 その思いを実現するため、色鮮やかなグラフィックを創り出し、希少な「吊り編み機」でつくった力感のある生地に載せました。大正時代創業の老舗工場で編まれた生地は、グラフィックとともに、着込むほどに風合いを増していきます。

このオリジナルグラフィックを「武将タイポグラフィ」と呼んでいます。井上祥邦がたどり着いた表現です。

 武将にまつわる史実を英文で表現し、適切に体裁を整えることによって、文字だけで人物を表現します。

 下絵にイラストや合成写真を使い、その陰影に沿って丁寧に配置。

 対象物が立体的に表現され、オリジナリティの高いグラフィックに仕上がります。


 澄んだ青空や、多様な色が混ざり合った夕暮れ――。


 デザイナー井上祥邦は、男性的で堅いイメージのある武将を、気持ちが明るくなるような色彩で描こうと試行錯誤を重ねました。

 そして、今までになくカラフルで、楽しくなるような新しい表現にたどり着きました。


 また、その武将にまつわる史実を英文で記し、タイポグラフィで表現。その上であえて文字の視認性を弱め、作品としての美しさを前面に出しました。

 私たちの生地は、1920年に創業した和歌山のニット製造工場で編まれています。


 高速製造機による大量生産が主流の現代でも、この工場では熟練の職人さんたちが、梁からつるした希少な「吊り編み機」を動かし、ゆっくりと品質の高い生地を編んでいます。


 吊り編み機は1900年ごろにスイスなどから輸入されましたが、現在、国内で実際に稼働する台数はごくわずか。

 のんびりと回転し、糸に余分な力を掛けずに編まれた服は、ふんわりと空気を含みます。


 着心地が良く、洗う度に柔らかさが感じられ、独特の風合いを持っていきます。

 多くの方に、手に取っていただくことを目指しています。ゆったりとしたサイズ感にアイコニックなグラフィックを備えた服を提案します。


 着る人の生活を明るくできたらと考えています。



 私たちがイメージするのは例えば、この困難な状況の中、最前線で働かれている医療従事者の皆様です。


 医療用の衣服の下に、カラフルでおしゃれなTシャツを着て、気分を上げていただきたい。



 武将というテーマは、新型コロナウイルスと戦う皆様を後押ししたい、という気持ちも込めています。

About Designer

デザイナー井上祥邦(イノウエヨシクニ)

 2009年yockdesignとして独立。



 グラフィックデザイナーとして歴史関連本の装丁や、クリエイターとしてイベント動画制作などに携っています。



 好きな武将は、「真田幸村」。小学校のときに図書館で読んだ一冊の本が、その後の人生に大きな影響を与えました。



 2021年からオリジナルブランド「Yoshikuni」を立ち上げ、武将タイポグラフィをのせた洋服を世界に向けて発信することを開始しました。